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シンガポールのKITCHEN. LABELより、東京在住のサウンドアーティストHiroshi Ebinaのニューアルバムがリリース。都会の夜の静寂と孤独を癒しへと導く、眠れない人たちのための子守唄。
2022年のKITCHEN. LABELデビュー作『In Science and the Human Heart』に続く本作は、Hiroshi Ebinaの特徴とも言える静謐で浮遊感のあるアナログ・サウンドスケープをより深く掘り下げ、夜の静かな時間のために特別に制作された作品。パートナーの不眠症のために音による癒しを作ろうとしたのがきっかけで、Ebinaはこのプロジェクトに着手したのだが、レコーディングが進むにつれて、夜のミステリアスで神聖な性質を探求する複雑な作品へと変化していった。
アルバムの物語は、丁寧に構成された9つのトラックを通して展開され、それぞれのトラックが夜の深みに誘われていく。オルゴールや水入りワイングラスの素朴な音色から、ユーロラックシンセサイザーやアルゴリズミック・シーケンサーなどの最先端技術まで、様々な楽器を各トラックで多くても2~3つほど使用し、繊細で透明感のある催眠的サウンドスケープを生み出している。街の明かりが明滅する夕暮れ時を想起させる明るく高音域のシンセサイザーから始まり、徐々に中音域のトーンへと移り変わってリスナーを夢の世界へと優しく導いていく。この音の降下は、私たちが夜ごと眠りに身を委ねる様を映し出している。ありきたりでありながらも一時的な死にも似た特別な体験であり、そこでは意識が薄れ潜在意識の奥底から夢が現れる。
本作はリスナーを優しく包み込み、都会の夜の静寂と孤独を癒しに導く存在として、暗闇の中で目覚める人々に安らぎと落ち着きを与えてくれる。
アートワークは東京を拠点に活動する写真家・小野田洋一、マスタリングはニューヨークのJoseph Branciforte(Greyfade Studio)が担当。
Tracks
1. Shh,
2. Somunus
3. And may your dreams
4. Turning off
5. Liminality
6. Slow wave
7. Hammershøi’ s room
8. Surrender
9. The darkness of the night
Hiroshi Ebinaヒロシ・エビナ
東京在住のサウンドアーティスト。活動は多岐に渡り、アンビエントミュージックの作曲・演奏や、雅楽奏者としての活動、フィルムカメラを用いた写真作品の作成も行なっている。ニューヨークでの活動を経て、2018年より日本での活動を再開。作曲にはモジュラーシンセを中心にテープマシンや多種多様なアコースティック楽器を用いる。近年はKITCHEN. LABELやMystery Circles、Seil Recordsより作品を発表している。
「偶発性」はHiroshi Ebinaの音楽を語る上で欠かすことのできない要素である。真白の紙の上に点や線を広げるように音と並べていき、法則を与えることで音楽を形作っていくプロセスを取っている。作曲の際はリズムやピッチといった側面だけでなく、音の触感や音と音との間の無音部分などを重視している。
アーティスト:Hiroshi Ebina(ヒロシ・エビナ)
タイトル:Into the Darkness of the Night(イントゥー・ザ・ダークネス・オブ・ザ・ナイト)
フォーマット:国内流通盤CD
レーベル:KITCHEN. LABEL
型番:AMIP-0368
発売日:2024年9月